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2015.5.24

2人のレジェンドと涙の別れ

2人のレジェンドと涙の別れ

これ以上に感動的な別れがあるだろうか。8万667人のファン(なんとベルダー・ブレーメンのファンまで!)は、ジグナル・イドゥナ・パルクを1周したユルゲン・クロップ監督とセバスティアン・ケールにスタンディングオベーションを贈り続けた。スタジアムを濡らしたのは雨ではない。BVBの2人のレジェンドとの別れを惜しむファンが流した無数の涙だった。

 

感動の一日は、キャプテン交代で始まった。現主将のマッツ・フンメルスから、2008~2014年に主将を務めたケールにキャプテンバンドが手渡された。ブンデスリーガでの自身最後の試合で、ケールはもう一度だけチームを統率してピッチへ向かった。

 

 

その15分前、観客は彼の名をかつてないボリュームでコールしていた。クロップ監督は正式な退任セレモニーを望まなかったが、ケールにはハンス=ヨアヒム・バツケCEOから賛辞が贈られた。バツケCEOはスタジアム誌『エヒト』でこう述べている。「親愛なるセバスティアン、チームキャプテンというのは本来、君のような人々のためだけにある言葉だ。君は本当の意味でのリーダーであり、常に冷静を保っていた。素晴らしい社会性を備え、時に落ち着いていられないこともあったが、常に人間として正しく、実直で誠実、そして野心家だ。このクラブの次に優れたクラブへ移る機会に大勢の選手たちが乗じていった困難な時期にも、君はBVBへの忠誠を保ってくれた。常に我々の一員であり続け、最初から最後までボルッセだった」

 

続いて、スタジアムアナウンサーのノルベルト・ディッケルがマイクを通して叫んだ。「13年間の本当の愛をありがとう。我らが5番、セバスティアンよ、本当にありがとう」。するとスタジアムからは「ケール!!!」の絶叫が鳴り響いた。2002年にフライブルクから加入したケールは、サウススタンドのサポーターに愛され、「ドルトムント育ち」として歌われた。「オレたちはずっとボルシアにいる、それ以外にクラブなんてない!」

 

この日、クロップ監督とケールは完璧なワンツーを演じた。BVBの指揮官が長い間キャプテンを務めたベテランを86分に下げると、ピッチを去りゆく選手には会場からスタンディングオベーションが惜しみなく注がれた。

 

試合が終わると、今度は去りゆく監督にスタジアム中の注目が集まった。バツケ監督はこう述べた。「親愛なるユルゲン、君は我々とともに驚異的な歴史をつくってくれた!このクラブで君ほど長い間チームを指揮した監督も、君ほど多くの勝ち点を獲得した監督も、2011年のような若いチームでドイツリーグのタイトルを手にした監督も存在しない。一からつくったコーチ陣で2つのリーグタイトルを獲り、2冠を達成し、誰にも予想できなかったチャンピオンズリーグ決勝進出を果たした。そして何よりも、クラブ史上最も困難な時期に、私と我々全員の希望を取り戻してくれた。君の存在は人々の胸に刻み込まれている」

 

「ユルゲン・クロップ、ユルゲン・クロップ、ユルゲン・クロップ」のチャントが鳴り止まない。トゥルーデ・ヘルの曲(「あなたはいつも心の中にいる」)が流れる中でスタジアムを1周した去りゆく指揮官に、チームと観客は敬礼。ベルダー・ブレーメンのファンからも拍手が贈られた。そしてブラック・アンド・イエローのファンは、長いサッカーの歴史でもほとんど例を見ないほど大きな敬慕の雰囲気をつくり上げた。

 

「できれば来週日曜日にまた街の広場で会いたい」

 

クロップ監督はその場で挨拶せず、ビデオメッセージを通してこう説明した。「同じミスを繰り返したくないから。生ではやりたくないんだ。マインツを退団したとき、涙声になってしまったせいで私が何を言っているのか誰も理解できなかったから」

 

 

この日は誰もが監督の言葉を理解できた。ファンはスクリーンに映し出された監督の一言一言を噛みしめた。「思い出をバッグいっぱいに詰め込んで旅立つことになる」と語った指揮官は、できれば来週日曜日にまた街の広場で会いたいと続けた。「このクラブでの思い出の締めくくりに大きな勝利を挙げることができれば、集大成にふさわしい」。また、後任監督について「比較はしないように」と気を遣いつつ、「素晴らしい未来がこのクラブを待っている」と付け加えた。

 

 

 

最後は選手たちが2列になって道をつくり、監督がその間を歩いていった。喜んだ監督はもう一度この道を通り直し、スクリーンから消えてケールに主役を譲った。息子のルイスくん(8歳)と娘のレノちゃん(5歳)を連れてまだスタジアムを回っていたケールも、気長に待ってくれた同僚たちのつくる道を歩いた。最後に再びサウススタンドの前に立つと、サポーターからはBVB史上最も偉大なレジェンドの1人に対し、それにふさわしい別れの言葉が贈られた。そして感動で始まった一日は、感動で終わった。スタンドはクロップ監督の壮大なコレオグラフィーで飾られた。

 

 

文:ボリス・ルパート

 

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