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2013.5.26

1-2:ロッベンの決勝ゴールに夢破れる

1-2:ロッベンの決勝ゴールに夢破れる

確かにタイトルは獲れなかったが、「チャンピオンらしい」シーズンを送ることはできた。ボルシア・ドルトムントは58回目の欧州最高峰のクラブ大会の決勝に1-2(前半0-0)で敗れてしまった。2013年の欧州王者に輝いたのは、この決勝にふさわしい相手だったFCバイエルン・ミュンヘン。BVBはマンジュキッチに先制点を決められた後、ギュンドアンのPKで追いついたものの、89分のロッベンのゴールの前に沈んだ…

 

レポート:フェリックス・ウルリッヒ、ボリス・ルパート(ロンドン)

 

 

ウェンブリーのスタンドは色とりどりの8万6289人のサッカーファンで埋め尽くされていたが、グラウンドは黒と黄に支配されているように見えた。“ニュートラル”なファン(3万8000人)の大部分は、すぐにBVBへと気持ちを傾けたようだった。それがピッチ上に反映され、BVBは前半だけで5本のシュートを枠内に放ち、5つのCKを獲得、そして3つのビッグチャンスをつくる(15分クバ、22分ベンダー、35分レバンドフスキ)。開始30分に近づくとバイエルンも攻勢を強めたが、バイデンフェラーがワールドクラスのセーブを連発し、BVBのゴールを死守。しかし、その守護神も60分のピンチではなすすべなくマンジュキッチに先制ゴールを許してしまう。BVBはその8分後にギュンドアンのPKで同点としたものの、ロスタイム突入を目前にしてロッベンに巧みなフィニッシュを決められた。終了のホイッスルが鳴り響くと、BVBの選手たちはひざから崩れ落ちた。スタンドのファンは彼らを励まそうと、最後の声を振り絞って『ユール・ネバー・ウォーク・アローン』を合唱した。

 

戦前の状況:
101回目となる両チームの対戦の事前予想では、今季のブンデスリーガをぶっちぎりで制し、チャンピオンズリーグの準々決勝と準決勝で合計11-0というスコアでユーベとバルサを葬っていたバイエルンの勝利を予想する声が明らかに大きかった。今シーズン後半にバイエルンが勝ち点を取りこぼしたのは、BVBと引き分けた試合だけだった。

 

一方、死のグループを首位通過し、ドネツク、マラガ、レアルを退けて決勝まで駒を進めたBVBは、最近の直接対戦の戦績(9試合で5勝2分け2敗)に希望を見いだしていた。

 

試合前のウェンブリーは最高の雰囲気に包まれていた

 

チーム情報:
BVBではゲッツェとオボモイエラが欠場。そのため、最近の試合と同様にグロスクロイツが先発し、中盤の底にはベンダーがケールを抑えて入った(昨シーズンのDFBポカール決勝に非常に近いメンバー)。一方、バトシュトゥバーとクロースを欠くバイエルンでは、昨年ベルリンで行われた決勝でプレーしていないダンテ、マルティネス、ミュラー、マンジュキッチが先発メンバーに名を連ねた。

 

戦術:
両チームとも4-2-3-1のフォーメーションを採用。違いといえば、このコンパクトなスタイルではBVBに一日の長があるという点くらいだった。

 

試合の展開と分析:
大会史上初のドイツ勢同士による決勝は、攻め合いになるらしいことがすぐに判明した。両チームが主導権争いを繰り広げる中、洗練されたプレッシングサッカーから多くのチャンスが生み出されることが予想された。そして先に優位に立ったのはBVBだった。

 

序盤は固さが感じられたバイエルンに対し、ドルトムントは全員がよく動いて攻勢に出る。前半の総走行距離はBVBが59.5kmと、バイエルンを2km上回った。

 

この試合最初のチャンスでクバがペナルティーエリア右端から放ったシュートは、惜しくもクロスバーの上へ。その4分後にはレバンドフスキがゴールまで20メートルの位置から狙うも、ノイアーの好セーブに阻まれた。

 

BVBの勢いは止まらず、開始15分までにクバもロイスのパスからノイアーにシュートを浴びせる。直後にはグロスクロイツの巧みなプレーの後にロイスが自ら狙ったが、これもノイアーに止められた。

 

スボティッチ vs マンジュキッチ

 

一方バイエルンはといえば、ボール支配率こそ59%とBVBを上回ったものの、チャンスはあまりつくれていなかった。30分前後にマンジュキッチがヘディングシュートを放ったが、バイデンフェラーがゴールの上へとはじき出した。

 

しかし、このヘディングシュートをきっかけに目を覚ましたかのように、バイエルンは守備を安定させ、前線ではチャンスの数を増やす。まずはロッベンが30分と43分にバイデンフェラーを襲い、続いてミュラーもゴールに接近。だが得点は奪えず、試合は0-0のままハーフタイムを迎えた。

 

後半に入ってからも、両チームは引き続き見応えのあるサッカーを披露。互いにチャンスをつぶし合う中、時計の針は60分へと近づいた。ここでバイエルンが試合の均衡を破る。リベリがディフェンダー3人を引きつけてパス。ロッベンがこれをゴール前に折り返すと、マンジュキッチが大きく開いたゴールにフィニッシュを押し込んだ。BVBの何人かはオフサイドをアピールしたが、ゴールは認められた。

 

しかし、BVBはこの失点にリズムを乱されることなく、リベリの挑発にも乗らなかった。その忍耐が同点ゴールへとつながる。バイエルンのペナルティーエリア内に突進したロイスの腹にダンテの足が入ると、リッツォーリ主審は的確なジャッジでPKスポットを指示。シーズン序盤の対戦でPKに失敗しているレバンドフスキに代わり大役を任されたギュンドアンは、重圧がかかる中でも落ち着いて決め、スコアを68分の時点で1-1とした。

 

ロイスがラームをかわす

 

試合が振り出しに戻った後も、約8万6000人の観客は欧州頂上決戦にふさわしいこの戦いを楽しみ続けた。両チームともベストを尽くし、互いにチャンスをつくる。しかし、終盤はバイエルンのペースだったと認めざるを得ない。

 

72分、ロッベンがゴールに迫るも、スボティッチがゴールライン上での見事なクリアで得点を辛うじて阻止。続いてバイデンフェラーが76分にアラバ、87分にシュバインシュタイガーのフィニッシュを好守で止めた。

 

延長戦突入は確実かと思われたが、ロッベンはそれを許さなかった。89分、リベリがピシュチェクの守備に遭いながらもラストパスを供給。これに抜け出したロッベンが、バイデンフェラーの逆を突いてフィニッシュをゴールに流し込んだ。クロップ監督はすぐにシャヒンとシーバーを投入するも、時すでに遅し。バイエルンがこの1点を守り抜き、栄冠を獲得した。

 

出場メンバー&ゴール:
2013年5月25日 UEFAチャンピオンズリーグ決勝
ボルシア・ドルトムント 1-2(前半0-0)FCバイエルン・ミュンヘン
ボルシア・ドルトムント:バイデンフェラー;ピシュチェク、スボティッチ、フンメルス, シュメルツァー;ギュンドアン、ベンダー(90分 シーバー);ブワシュチコフスキ(90分 シャヒン)、ロイス、グロスクロイツ;レバンドフスキ
バイエルン・ミュンヘン:ノイアー;ラーム、ボアテング、ダンテ、アラバ;マルティネス、シュバインシュタイガー;ロッベン、ミュラー、リベリ(90+1分 ルイス・グスタボ);マンジュキッチ(90+3分 ゴメス)
ゴール:マンジュキッチ(60分 ロッベン)、ギュンドアン(68分 PK、ダンテのロイスに対するファウル)、ロッベン(89分 リベリ)
CK:6-8(前半5-0) 好機:9-10(前半6-5)
主審:リッツォーリ(イタリア) 警告:グロスクロイツ(ドルトムント)、ダンテ、リベリ(バイエルン)
観客数:8万6289人(満員) 天候:曇り、気温12度

 

今後の日程:
BVBはこの決勝をもって52試合を戦ったシーズンを終えた。新シーズン前のトレーニングは7月3日に始まる。

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