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2019.4.4

ミュンヘンでの忘れ得ぬ思い出

ミュンヘンでの忘れ得ぬ思い出

バイエルン・ミュンヘンの本拠地アリアンツ・アレーナがオープンしたのは2005年5月。以来、ボルシア・ドルトムントはアウェーチームとして最多の5勝(ブンデスリーガとDFBポカールの合計)を挙げている。一方で、かの地で何度か大敗も喫した。土曜日の一戦(日本時間7日午前1時30分キックオフ)を前に、ミュンヘンでの思い出を振り返る。

 

BVBがアリアンツ・アレーナで初めて戦ったのは2005-06シーズンの第34節。両者にとっての消化試合は引き分けに終わった。一時バイエルンが3-1とリードしたが、フィリップ・デゲンとヤン・コラーが決めて3-0のドローで終了。それから間もない2006-07シーズンの開幕戦でもBVBはミュンヘンに乗り込み、出だしは良好だったもののセバスティアン・ケールがサリハミジッチの危険なタックルで負傷。ケールのひざは「ポイントでぱっくりと割れた」(シュピーゲル・オンライン)。ケールはシーズンを棒に振り、2007年の春にようやく復帰。試合はバイエルンが2-0で制した。

 

 

2011年から2014年までに3勝1分け

 

その後の3シーズンでさらに3敗(0-5、1-3、1-3)を喫したものの、2010-11シーズンの第24節から流れは変わる。2011年から2014年までの間に、BVBはミュンヘンで3勝1分けという堂々たる成績を残した。2011年2月26日、クラブ歴代最年少(平均22.7歳)のチームは約20年ぶりとなるバイエルンのホームでの勝利をクラブにもたらした。序盤から積極的に攻めたBVBは9分にルーカス・バリオスのゴールで先制。16分にグスタボに同点弾を許したが、2分後にヌリ・シャヒンが2-1とした。控えGKのミチェル・ランゲラクを中心とした守備陣は堅守を続け、前線ではマリオ・ゲッツェが相手ゴールを脅かし続けた。ドイツ代表デビューを果たしたばかりの18歳が59分に放ったシュートは惜しくも弾き出されたが、そのアシストからマッツ・フンメルスの追加点が生まれ、BVBは3-1の勝利を収めた。

 

ゲッツェが躍動

 

2010-11シーズン、2011-12シーズンと立て続けに、BVBはブンデスリーガでバイエルンに2勝。さらに2012年のDFBポカール決勝でも宿敵を破った。しかし、2011-12シーズンの第13節では、BVBに5ポイント差をつけて首位に立つホームチームの勝利が予想されていた。ところが極寒の中、BVBは強みを出しつつバイエルンの長所を封じ込める。次第に中盤の支配権を手にし、65分に待望の先制点を奪取。ゲッツェがペナルティーエリア内での香川真司とのワンツーからフィニッシュを流し込んだ。バイエルンにとっては、これがシーズンのホームゲームでまだ2失点目だった。この天王山を制したBVBはリーグ連覇を達成。そしてDFBポカールも手にし、後にも先にもない2冠を達成した。

 

 

「ボールのないところでの動きが本当に素晴らしかった」。ユルゲン・クロップ監督はこう語り、次のように続けている。「見ごたえは不十分だったかもしれないが、攻め合いになった。いいタイミングで先制できた。バイエルンに普段のサッカーをさせず、勝利をもぎ取ることができた」

 

2014年4月に3-0で快勝

 

2012-13シーズンのアウェー戦は1-1のドロー(クロースが67分に先制したが、74分にゲッツェが同点ゴール)。そして2014年4月12日、1991年以来となる得点差での勝利を手にする。ドルトムントから駆けつけた7000人のファンの声援を受け、BVBはクレバーなポジショニングで相手にボールをキープさせてもチャンスはつくらせなかった。20分にヘンリク・ムヒタリアンが均衡を破ると、後半に入ってからも49分にマルコ・ロイス、55分にヨナス・ホフマンが加点。土壇場の90分にはラフィーニャがムヒタリアンでのファウルで退場となった。それでもシーズンの大勢に影響はなく、首位バイエルンには敗れてなお17ポイントのリードがあった。

 

 

PK戦で決めさせず

 

2015年4月28日の対戦は、これとは様相が大きく違う試合となった。クロップ監督はすでに退任を発表。ブンデスリーガでは首位に大きく離されており、有終の美を飾るにはDFBポカールを制するしかなかった。しかしバイエルンが行く手に立ちはだかり、会場もアウェー。ホームチームはチャンス数で8-3と大きく上回った。とはいえ重要なのは結果。70分にムヒタリアンを投入して流れを引き寄せたBVBは、29分にレバンドフスキが決めて先制していたバイエルンにピエール=エメリク・オーバメヤンのゴールで追いつく。80分にムヒタリアン、82分にはロイスに決定機が訪れるも、決めきれず勝負は延長戦へ。ノイアー、そしてシュバインシュタイガーのシュート2本を止めたランゲラクの両GKが奮闘し、PK戦へと突入する。すると予想だにしない展開が待ち受けていた。バイエルンはラームとアロンソが外し、ノイアーとゲッツェ(当時バイエルン)も失敗。ギュンドアンとケールが決めたBVBは2-0のクリーンシートでPK戦を制した。

 

 

サッカー神マニ・ベンダー!

 

BVBは2017年、バイエルンをアリアンツ・アレーナで破ってDFBポカール決勝進出を果たし、アイントラハト・フランクフルトを下してトロフィーを掲げた。アウェーチームは19分にロイスのゴールで先制。しかしゲームを支配したホームチームは前半のうちにマルティネスとフンメルスが得点し、試合をひっくり返す。ところがリードを広げるチャンスを逃すと、69分にウスマヌ・デンベレの美しいクロスをオーバメヤンが至近距離から押し込み、流れに逆らって同点とする。5分後、ラファエウ・ゲレイロとロイスが連係してチャンスを生み出すと、オーバメヤンが正確なフィニッシュをネットの高い位置に突き刺し、BVBに決勝点をもたらした。

 

ただし、この日の真のヒーローはスベン・ベンダー!BVBが流れを引き寄せかけていた63分、ロッベンに3-1として勝負を決めるビッグチャンスが訪れた。ゴールは大きく開いていたが、ベンダーが足を伸ばしてシュートを止め、ポストへと逃れた。このスーパーブロックがBVBの希望をつなぎとめ、逆転劇を招き寄せた。「3点目を決められていたら、終わっていただろうね」と当時キャプテンのマルセル・シュメルツァーはコメントした。「あのブロックは驚異的だった」

 

サッカーの神が降りたベンダーの活躍により、BVBはアリアンツ・アレーナでの5つ目、そして現時点で最後の勝利を収めた。

 

文:ボリス・ルパート

 

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