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2019.10.1

プラハ勢との対戦を回想

プラハ勢との対戦を回想

1963年12月のベンフィカ戦が「世紀の一戦」となったために記憶が薄れてしまったが、ボルシア・ドルトムントは続く欧州カップウィナーズカップ準々決勝で、ドゥクラ・プラハに敵地で4-0と大勝。1997-98シーズンのUEFAチャンピオンズリーグでもスパルタ・プラハとのアウェー戦を3-0でものにしている。チェコの首都で戦った過去の試合を振り返る。

 

 

1960年代、旧チェコスロバキアの首都を本拠地としていた軍隊クラブ、ドゥクラ・プラハは東欧サッカー界を席巻していた。1958年から1966年までの間にチェコスロバキア・リーグで6度優勝。スター選手ヨーゼフ・マソプストを中心にしたチームはヨーロッパ中で恐れられていた。ボルシア・ドルトムントと対決するまでは…

 

「ボルシア・ドルトムントは、それまで国内リーグ王者11チームが成し遂げられなかったことを成し遂げた。ドゥクラは欧州カップ戦のホームゲームで通算25得点3失点と得点率で圧倒。勝てずに引き分けた相手はベンフィカだけだった。だがドルトムントからやってきたBVBはプラハの軍隊イレブンを蹴散らし、最終スコア4-0で圧勝したのだ」。ドイツのサッカー誌『キッカー』は、1964年3月4日付けの試合レポートでそう書いた。「フリートヘルム・コニエツカが陰で戦略を操り、アキ・シュミットがいつものように絶え間なくひらめきを見せた」。凍ったピッチの上で、BVBは29分に先制。フランツ・ブルングスがフリーキックに頭で合わせ、ポストに跳ね返されたところを自ら押し込んだ。後半10分にはコニエツカが中盤でボールを奪い、そのまま40メートルをダッシュ。ドゥクラのキーパーとの1対1を冷静に制して貴重な追加点を挙げた。その15分後、コニエツカがペナルティーエリア内でファウルを受け、PKをもらう。これをラインホルト・ボーザップが沈め、BVBはさらにリードを広げた。終了間際にはボーザップがエメリッヒとの巧みな連係から加点し、BVBは4-0という見事なスコアで勝利を収めた。

 

ラインホルト・ボーザップのPKでスコアは3-0に

 

第2戦も白熱し、最初の30分間はBVBが質の高いプレーでチェコスロバキアから来たアウェーチームを押し込んだ。ドゥクラはカウンターで脅威を示したものの、よりゴールに近づいていたのはブラック&イエローのほうだった。10分のコニエツカのシュートはポストを直撃。リバウンドもゴールラインぎりぎりでドゥクラのディフェンダーにクリアされる。10分後、クーラートがドリブルで50メートルを運び、リレビチへパス。キーパーの頭上を抜くシュートがネットに収まり、BVBは2試合合計5-0とさらにリードを広げた。しかし41分、レーダーに決められ、この夜のスコアは振り出しに戻される。

 

後半、BVBはリードを奪い返そうとあらゆる手を使って得点チャンスをつくり出したものの、いずれも決めることはできず、すぐにそのツケを払わされる。イェリネクに2ゴールを奪われ(66分、87分)、第2戦は敗北。第1戦で稼いだリードで辛うじて勝ち抜けとなった。

 

スパルタに刃を突きつける

 

1997-98シーズンのチャンピオンズリーグでもBVBはプラハのクラブ、スパルタ・プラハと激突。1997年10月1日に行われたホームゲーム、ブラック&イエローはキックオフ直後から攻撃を仕掛け、アウェーチームにほとんどボールを持たせない。ハインリッヒがスパルタのエース、ロクベンツを封じ込めると同時に次々と攻撃の起点をつくり、メラーが10番のポジションでチャンスを伺った。そのため、常に突破を狙っていたハイコ・ヘアリッヒのゴールでホームチームがリードを奪ったのも何ら驚きではなかった。ファイヤージンガーとラインハルトも左サイドを制し、安定したボールを前線に供給。53分には再びヘアリッヒがネットを揺らす。しかし副審の旗が上がっていたため、メロ・ペレイラ主審はゴールを認めず。リプレーを見る限り、これは微妙なジャッジだった。

 

チェコ勢はBVBの激しいプレスから抜け出す道が見つけられない。ストライカーのジーグルはコーラーに常にマークされていた。25分、メラーの影を追うばかりだったネメチェクが、ゴール前20メートルの位置からスパルタのこの日最初のシュートを放つ。直後にはイバン・ハシェクも遠めから狙ったが、BVBのGKシュテファン・クロースを煩わせることはできない。負傷したホルナクに代えてオバイディンを投入しても状況は変わらなかった。

 

ホームのBVBは後半も全力で戦い、プレッシャーをかけ続ける。ほどなくこの作戦が奏功し、シャプイザが追加点をマーク。2-0のままでも十分だったが、69分にハインリッヒ、75分にシャプイザが加点してさらにリードを広げたBVB。終盤に1点を許したものの、4-1と先勝。それでもその他多くの決定機を逃し、そして無失点に抑えられなかったことは悔やまれた。

 

プラハではリッケンが輝く

 

1997年12月10日に行われた第2戦も、BVBは3点差で難なくものにすることになる。この試合では、筋肉のケガで長期離脱していたラース・リッケンが復帰。9週間ぶりにピッチに立ったリッケンは、早速ゴールに関わる。ラインハルトがリッケンとの巧みなワンツーからピンポイントのクロスをエリア内のメラーへ。強烈なヘディングシュートがネットに突き刺さり、BVBが1-0とリードする。リッケンは2点目の場面でも格の違いを見せつけ、ゴールライン際から正確なパスを送る。走り込んだキロフスキが、これを至近距離から枠に収めた。

 

リッケンは中盤を支配し、重要な場面で常にボールを奪って味方の攻撃を補佐。キロフスキが右サイドで見せたパフォーマンスも秀逸だった。意図のないショートパスをつなぐしかなくなったスパルタに対し、BVBは素早く、そしてダイレクトにボールを運び、次々と得点チャンスをつくっていった。完全に試合を支配したBVBは、ほどなくブースが3点目を追加。スパルタから反撃の望みを奪い去った。

 

文:ボリス・ルパート(kicker.deの記事参照)

 

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