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2018.2.7

バツケCEOインタビュー:「目指すは原点回帰!」

バツケCEOインタビュー:「目指すは原点回帰!」

5日と6日の2日間に分けて、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)紙に掲載された独占インタビューの中で、ボルシア・ドルトムントのハンス・ヨアヒム・バツケCEOがクラブの現状について語った。「我々は、技術的に質の高いサッカーと勝者のメンタリティーのバランスを最高の形で再建しなければならない」と説明したバツケCEOは、さらになぜクラブがウスマヌ・デンベレとピエール=エメリク・オーバメヤンの移籍を認めたのか、なぜリーグ戦の月曜開催に反対なのか(「純粋に競技上の理由であり、ヨーロッパリーグなどの試合日程との兼ね合いであることは理解しているが」)、そしてなぜクラブとファンの関係を改めて重視したいと強く願っているのかなどを明かした。

 

クラブの動揺について
この1年間に我々が経験してきたような、前例のない多くの難題に直面すれば、大きな動揺が起こったとしても何ら不思議はない。しかし動揺はBVBのDNAにはないものだ。クラブ内は一体感に満たされてる。とはいえ、(チームバスへの)爆弾攻撃やオーバメヤンとデンベレに関するネガティブな移籍の噂など、サッカーに直接関係しない出来事がクラブに影響を及ぼしたことも確かだ。

 

 

クラブの財政、目標、成功について
13年前、我々は7500万ユーロ(現在の換算レートで約101億円)の売り上げで約2億ユーロ(約270億円)の負債を抱え、スタジアムの所有権も手放し、倒産寸前だった。しかし今年の我々は売り上げ5億ユーロ(約677億円)をゆうに超える見込みであり、負債はゼロ、スタジアムの所有権も取り戻し、さらに銀行には多くの貯金が残っている。スポーツ面ではこの10年、コンスタントに国際大会に出場している。国内では2度のリーグ優勝に加え、ポカールで2度の優勝と複数回の準優勝を経験し、チャンピオンズリーグには6回出場して、うち1回は決勝まで行った。現時点ではブンデスリーガで自分たちの望む順位にはつけていないが、2位との差はわずかに1ポイントだ。これが今の現状だが、もしかしたら今シーズンは初めて目標を達成できない可能性もある。それを「失敗」と言うのであれば、それはかなり高いレベルでの失敗ということになる。こうして振り返ると、私はこのボルシア・ドルトムントで、さまざまな時を過ごしてきたわけだね。

 

デンベレの移籍について
我々はデンベレを1500万ユーロ(約20億円)で獲得したが、最大で1億4800万ユーロ(約200億円)に達するオファーを受けた。これは上場企業として、慎重に考えなければならない金額だ。その選手がストライキを起こしたり、勝手に国を離れたり、連絡を断つようなことを続ければなおさらだ。金額はあまりにも大きすぎた。今後はこんなことがあれば、1年間スタンドに座っていてもらう。デンベレのケースは、その性質の観点からも倫理的観点からもまさに悪夢だったね。

 

オーバメヤンの移籍について
彼はシーズン終了までクラブにいると明言していたんだ。デンベレが移籍してしまったことも理由の1つだった。しかし彼の場合は、その一方で、自分はクラブから感謝されてしかるべきだという気持ちがあった。なぜなら2016年に、フンメルス、ギュンドアン、ムヒタリアンが皆クラブを去ったとき、オーバメヤンはいくつかの非常に魅力的なオファーを断り、BVBに残留を誓ってくれたからだ。それは確かに事実だよ。あの2016年にオーバも移籍していたら、我々は苦しい状況に立たされたはずだ。そのことは皆が感じていた。だからほかにも理由があったとはいえ、最終的に移籍を認めたんだ。それにシーズンの後半戦でオーバとの関係が元に戻るとは思えなくなっていた。ファンとの関係もチームとの関係もだ。彼の振る舞いによって、あまりにも多くのものが壊れてしまったからね。6400万ユーロ(約86億円)という金額はそれほど高くなかったので、金銭面だけは調整をする必要があった。

 

 

今後に同様の騒動が起こった場合
私はチームにはっきりと伝えたよ。次に同じようなことをしようとした選手は大きな敗北感を味わうことになる、そして大きな問題を抱えることになるとね。株式がどうなるかは関係ない。次に練習や試合を真面目にやらなかったり、ストライキを起こしたりして我々にプレッシャーをかけるような選手がいたら厳しく対処する。スタンドで座っていてもらうよ。そのことを皆に知ってもらった。これは公式声明であり、私はこれを基準に行動する! デンベレとオーバメヤンの一件を経て、今クラブが最優先するのは、チームに再びより良い組織を構築することだ。

 

お手本となる選手について
一番のお手本はスベン・ベンダーだね。彼は神の前に立つファイターだ。彼はユルゲン・クロップ監督時代ほどには試合に出られなくなっていた。ケガのせいもあるが、それだけが理由ではなかった。それで彼は何度か移籍を志願し、我々はその度に説得を試みたが、気持ちを変えることはできなかった。マッツ・フンメルスを除けば、その他の選手たちの移籍はそれほどつらくはなかったんだ。しかしスベンは本当に素晴らしい人物だからね。BVBが新しいシーズンに迎えなければならないのは、まさしく彼のような選手だよ。我々は非常に強い勝者のメンタリティーを持ち、貪欲で、時に怒りをあらわにできるような選手が2、3人、早急に必要だ。ぶつかり合うことでダイナミズムが生まれるからね! 技術的に高いレベルのサッカーと勝者のメンタリティーのバランスを最高の形で再建しなければならない。

 

変化する期待について
成功と共に、我々に対する期待も選手たちの自信も変化してきている。2011年と2012年にリーグ連覇を果たしたチームは、サッカーの質だけ見れば、今のチームほど良くはなかった。しかし彼らは考えうる限り最高のメンタリティーを持っていたんだ。シーズン後半戦の内容によっては、夏におそらく大規模なチーム改造が必要になるだろう。最終的には彼(スポーツディレクターのミヒャエル・ツォルク)が監督の望むとおりの選手を揃えてくれるはずだ。起用しない選手を獲得しても意味がない。ミヒャエル・ツォルクには、今も全幅の信頼を置いているよ。非常に充実した10年ののちに1年だけ失速したとしても、それは変わらない。

 

 

ケルンでの勝利
事態が好転するきっかけになるよう願っているよ。いずれにせよ、あの日のBVBは勝利への意欲に満ちあふれていた。本当に素晴らしいサッカーができていた時間帯もあったね。私が中立的なファンだったなら、ケルン戦のような試合を見たいと思うはずだ。あの試合はとても楽しめたと思うよ!ところで昨シーズンは、激しい競り合いの末、最後の最後にチャンピオンズリーグ出場権を獲得できた。これについては今年も大きなチャンスがあると信じているよ。昨年とは違い、デンベレやオーバメヤンが抜け、マルコ・ロイスもまだ戦列に復帰できていない上、左ウイングに17歳、右ウイングに19歳、そしてセンターフォワードに18歳の若手を起用しなければならないとしてもね。(中略)ペーター・シュテーガー監督はBVBを率い、ブンデスリーガで無敗を維持しているだけでなく、チームと共に力を合わせ、就任後の6試合で勝ち点12を積み上げてくれた。この間の成績でこれを上回るのはバイエルンだけのはずだ。

 

この1年間を振り返って
私自身、爆弾襲撃事件の長期的な影響を軽く考えていた部分があった。数週間で以前のような日常生活が戻ったこと、そしてDFBポカールを獲得したことで、あの事件を乗り越えたと感じていたからね。それは明らかに間違った判断だった。心的外傷による影響は、時間が経ってから現れることが多いと複数の心理学者にも言われている。あの事件の公判が今も続いているという背景を考えれば、余計にそうなっていても不思議ではない。つまり事件の影響が残っている選手は、たとえその程度が軽かったとしても、ストレスへの耐性が落ちている可能性が高い。その程度は明確に示すことができないものだが、当クラブでも事件の影響が間違いなくあると確信した。今までこの話題を議論していなかったが、正しく慎重に分析を行えば、これを無視し続けることはできない。

 

欧州サッカー界におけるドルトムントの役割
ビッグクラブであること。それが我々の変わらぬ目標だ。しかしオーバメヤンの件を考えてもわかるように、ボルシア・ドルトムントより大きなクラブがヨーロッパに6、7つは存在すると認めなければならない。そして我々以上に資金に恵まれたクラブが20は存在する。この数十年間のボルシア・ドルトムントを題材に物語を書くとしたら、主力選手を引き抜いてきたのは本物のビッグクラブだけということがわかるだろう。そして我々もまた、ワールドクラスの選手を輩出し、経済的理由からそれらの選手たちを引き抜かれる数クラブの1つであることは間違いない。レアル・マドリーやバルセロナ、バイエルン・ミュンヘンなら、どんな問題でもお金で解決することができる。我々にはそれができない。絶対にだ。そしてそれが我々の前に立ちはだかる。純粋に金銭面での話になるが、選手を獲得する場合、イングランドの中位クラブよりもBVBから引き抜くほうが簡単になりつつある。残念ながらそれが現実なんだ。イングランドでは、テレビ放映権による莫大な収入が下位クラブにも分配されているからね。だが幸いなことに、スポーツ面の成功を強く追い求める選手もいまだに残っている。我々が将来的により必要としているのは、そういった選手たちだ。

 

スポーツ面の野望と選手たちに求める資質
BVBのようなクラブは優勝を目標にすることができない。バイエルンやバルセロナとは違うからね。ボルシア・ドルトムントではタイトル獲得を話題にできない代わりに、いつかそこへ到達するためのチャレンジができる。ついにDFBポカールの栄冠を取り戻した昨年夏のようにね。10年間にわたって安定した成功を収めたあと、今シーズンのチャンピオンズリーグでうまくいかなかったのであれば、おそらく一歩引いて自分たちの足下を見直すべきなのかもしれない。もう一度前に進むためには、ときにそういったことをする必要があるからね。だがそれに加えて我々が再び必要としているのは、1つ2つのプレーで観客を魅了できる選手たちの存在だ。そういったプレーはインスタグラムのフォロワー数よりもはるかに価値がある。何人かの選手は、SNSではなく、順位表にもう一度意識を向けなければならない。もちろん、現代社会においてSNSを無視することはできないし、我々もそれを利用しているが、改めて正しい方向に意識を向ける必要がある。華やかなレッドカーペットの写真だけでなく、自分たちがチャレンジし、タイトルを勝ち取った瞬間をアップしてもいいはずだ。

 

ボルシア・ドルトムントの将来
地元ドルトムントのファンとクラブ、ファンとチームの結束をより強固なものとする必要がある。その点において、我々は他の多くのクラブよりも常に意欲的であり続けているよ。つまり、世界進出の過程で新たな資金源を確保する必要がある一方、1000万人に及ぶドイツ国内のファンをないがしろにする決断を下すことは絶対にない。純粋に競技上の理由であり、ヨーロッパリーグなどの試合日程との兼ね合いであることは理解しているが、ブンデスリーガで組まれている月曜開催の試合が本当に必要かどうかも議論しなければならない。この件についてはボルシア・ドルトムントが主導するつもりだ。ファンの間でも月曜の試合には否定的な意見が多く、すべてを商業的な観点から判断し、可能だからやるということではいけないと思っている。月曜の試合がなくなった場合、2021年以降はおそらく100~200万ユーロの収入減となるだろう。しかしファンとのより強固な一体感こそ、我々にとってはそれ以上の大きな価値がある。そういった意味からも、ボルシア・ドルトムントが目指すのは原点回帰だ!

 

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