
2014.11.11 グラットバッハ戦の勝利は危機脱出の第一歩 |
![]() |
ジグナル・イドゥナ・パルクであのような一方的な試合が見られたのは久しぶりだった。ボルシア・メンヘングラットバッハに1-0と競り勝ったボルシア・ドルトムントは勝者にふさわしかった。しかしBVBはわずかに一歩前進しただけ。ユルゲン・クロップ監督も「まだ危機から完全に脱したわけではない」と警告を発している。
素晴らしいパフォーマンス
「実に自信あふれるサッカーだった。あれには脱帽だよ」とクロップ監督は試合後に話した。BVBはキックオフ直後から、チャンピオンズリーグで見せているような素晴らしいパフォーマンスを披露した。
「ドルトムントが勝つべくして勝った試合だ。彼らのほうがいい試合をした」とグラットバッハのルシアン・ファブレ監督もコメント。積極的に仕掛けていったBVBは多くの得点機をつくり、中盤ではほとんどすべてのボールを奪った(特にベンダーとケール)。「何度も決定的なチャンスをつくり、相手にプレッシャーを掛け続けたことが勝利に結びついた」とエリック・ドゥルムは説明する。
守備でもBVBは手堅いプレーを披露し、90分をとおして相手に1本しかシュートを打たせなかった。これは統計を取り始めた1991年以降で最も少ない記録となる。58分にオウンゴールを献上してしまったグラットバッハのクリストフ・クラマーは、「相手を脅かせる気がしなかった。ドルトムントは信じられないぐらい強いチームだよ」と話した。
まだ残る改善の余地
しかしつくったチャンスをゴールに結びつける確率は、控えめに言ってもまだ高いとは言えない。グラットバッハ戦では22本のシュートを放ちながら、1本も決めることができなかった。ロイス(2、9、59分)、ピシュチェク(29分)、ムヒタリアン(37分)、そしてオーバメヤン(45、90分)がいずれも絶好機を逃し、ゴール枠に阻まれたシュートも2本あった。
結局、BVBに勝利をもたらしたのは、クラマーがゴール前約45メートルの位置から鮮やかに決めてしまったオウンゴールだった。クロップ監督は、「グラットバッハがゴールを決めてくれなくてもうちが決めていたとは私は思わない」と話している。
ブラック&イエローは今シーズン、71回の得点機をつくり、枠内シュート率も平均より高いが(17対45)、1試合平均1.09ゴールしか決められていない。得点率はわずか17パーセント。これに対しグラットバッハは、42回の得点機で17得点を挙げており、得点率は41パーセントとなっている。
勝利の要因
BVBファミリー全体、「素晴らしい試合をした(ドゥルム)」チームも、あらゆる策をこらしたコーチ陣も、ゆっくりではあるが確実に、BVBを危機から脱出させる道を見つけつつある。経営陣はこのかつてないほどの困難にも冷静さを保っており、ファンは、9日の試合でクロップ監督が言葉を失うほどのサポートを示してくれた。「我々はほかにはない最高のサポーターに後押ししてもらった」とクロップ監督は言う。
リーグの順位表
BVBはリーグ第11節を17位で迎えた。8日の試合でブレーメンがシュツットガルトに2-0と勝利していたため、一晩は最下位に沈んでいた。しかし、ブンデスリーガでは9月13日以来となる勝利を収め、15位へと順位を上げている。「この勝利にはリーグ順位を含め、多くの意味がある」と話したのはスポーツディレクターのミヒャエル・ツォルク。「このところ繰り返し言ってきたが、順位には反映されていないとはいえ、チームの調子は上を向いてきている。今回の勝利は、この数週間の流れが継続されている証拠だ。とはいえ、まだ最初の一歩を踏み出したに過ぎないがね」。クロップ監督も続ける。「ようやく勝ち点を二桁に乗せることができた。こんなことは信じられない。だがまだ我々は危機から完全に脱したわけではない」
大事なのは勢いを維持すること
BVBはこのあと代表ウィークを挟んで、昇格組のSCパーダーボルンと敵地で対戦する。クロップ監督は言う。「難しい試合になるだろう。かつてうちのリザーブチームにいて、私のチームでもプレーしたことのある選手が5人か6人、今はパーダーボルンに所属している。パーダーボルンにとってはシーズンの大一番になるだろうね」。香川真司は話した。「僕らは調子を安定させなければならない。自分たちのサッカーをして、それを貫いていかないとね」
【関連記事】
・1-0:オウンゴールでボルシア対決制す
・「勝ち点3を獲得できて嬉しい」
