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2019.6.14

【インタビュー】オボモイエラ「次こそリーグタイトルを」

【インタビュー】オボモイエラ「次こそリーグタイトルを」

2008年から2013年までボルシア・ドルトムントに在籍し、ブンデスリーガ連覇や国内2冠に貢献したパトリック・オボモイエラが6月に来日した。BVBのインターナショナルアンバサダーとして日本で様々なイベントに参加したレジェンドが、当サイトのインタビューに応じてくれた。

 

――今回の来日の目的は?

オボモイエラ ボルシア・ドルトムントにとって日本は非常に重要なマーケットだ。香川真司がプレーしていたこともあって、大勢のファンやパートナーがいる。スケジュールの都合でファーストチームはなかなか来日できていないが、クラブは元選手やレジェンドを日本に送ることで密接な関係を保とうとしている。まだ決まっていないが、来年はアジアツアーの予定もある。今回はまず愛知県のドルトムント・サッカー・アカデミー(DSA)を訪問し、練習を見学した。翌日の午前に東京に着き、夜は日本食を楽しんだよ。東京ではパートナーやアカデミーを訪問し、いくつかインタビューを受ける予定だ。

 

――訪日は今回で何度目ですか?

オボモイエラ まだ2度目なんだ。初来日は2004年、当時のことはよく覚えている。僕はここ日本でドイツ代表デビューを果たしたからね。僕にとって特別な試合だった。日本に3ー0で勝ったよ。ただ、ショッピングモールへ行ったくらいで楽しむ余裕はなかった。すごく緊張していたからね。(ユルゲン)クリンスマン監督は、まだブンデスリーガで5カ月しかプレーしていなかった僕を招集した。そしてオリバー・カーンやミヒャエル・バラックといったスター選手たちと一緒になったんだ。試合前夜、監督に先発起用を言いわたされてからは一睡もできなかったよ(笑)。でも試合は楽しめたし、誇りに思えた。それもあって、個人的に日本は特別な国なんだ。三都主(アレサンドロ)とマッチアップしたことを覚えているし、日本には僕の地元ハンブルクでプレーしていた高原(直泰)もいたね。今回は仕事の合間に東京を楽しめればと思っている。渋谷のスクランブル交差点や六本木に行ってみたい。寿司も魚もラーメンも大好きなんだ。人も良いし、街はきれい。ファンタスティックな国だね。

 

――現在のクラブでの役割は?

オボモイエラ マーケティングを担当し、日本やアメリカを始めとした国外のパートナーやアカデミーへの訪問などを行っている。子供に直接教えることはまだないが、ユース育成にはとても関心がある。コーチングライセンスも取ったので、いつかその方面で活躍したいね。日本のアカデミーの各校のMVPをドイツのキャンプに招く制度もあるので、次の香川真司を探したい。

 

――ユースと言えば、BVBのU-17に所属するユスファ・ムココは、まだ14歳にもかかわらずシーズン47ゴールを決める活躍を見せました。彼はどんな選手ですか?

オボモイエラ 何度かプレーを見たけど、とにかくファンタスティックな選手だ。14歳ながらフィジカルが強く、スピードとスキルもあるうえ、成長の余地がまだまだある。今季はプレーの幅が大きく広がった。自分で得点するだけでなく、チームのためにチャンスを作ることを意識するようになったんだ。ゴール数だけでなく、アシスト数も昨季より増えた。そこが何よりも大きな成長だ。次のシーズンはU-19でプレーするんじゃないかと思っているが、クレバーだし強いし、5歳上の選手が相手でもやっていけるはずだ。年齢制限があるからすぐにプロにはなれないけど、デビューが待ち遠しいね。

 

 

――BVBは今季のブンデスリーガを2位で終えました。この結果をどう思いますか?

オボモイエラ 開幕前の期待と比べれば、満足できる結果だと思う。新監督を迎え、多くの新戦力が加入したなかで、若いチームで最終的に2位に入ることができた。最後の最後まで希望を保っていたわけだから、総じて成功と言っていいだろう。チャンピオンズリーグの出場権も確保できたしね。ただもちろん、悔しい部分はある。ほんの少しの差で優勝を逃したわけだからね。シーズン半ばに首位に立ち、タイトル獲得への期待は高まったが、リーグ戦は34試合の戦いだ。

 

――タイトルに届かなかった理由は何だと思いますか?

オボモイエラ 今言ったようにシーズンは34試合あるが、守備陣を筆頭に重要なポジションで故障者が続発してしまった。選手たちのコンディションがもう少しだけ良ければね。ほんのわずかな差だ。下位チームとの試合で勝ち点を取りこぼしていなければチャンピオンになれたと思う。とはいえ、最後までファンを楽しませることができたし、だから成功と言える。タイトル争いを続け、勝たなければならないというプレッシャーの中でプレーした経験を、新シーズンに生かしてほしい。

 

――BVBは来季に向けて早くも新たな選手を獲得しました。新戦力についての印象は?

オボモイエラ (ユリアン)ブラントと(トルガン)アザールは攻撃面で才能豊かな選手たちで、伸びしろも大きい。守備陣には左サイドでプレーできるドイツ代表の(ニコ)シュルツが加入した。非常にいい、バランスの取れた補強ができたと思う。何人かはクラブを離れるかもしれないが、戦力はさらにアップするはずだ。

 

――ずばり新シーズンの目標は?

オボモイエラ わずかな差で逃したリーグタイトルを次こそ取りたい。チャンピオンズリーグでも2013年以来となる決勝進出を狙いたいね。そしてDFBポカール。カップ戦は運にも左右されるが、最短でタイトルを手にすることができる。7試合勝てば優勝だからね。最低限の目標は再びチャンピオンズリーグの出場権を確保すること。もちろん、選手は常にタイトルを目指しているが、クラブとしては彼らにプレッシャーをかけすぎないためにも現実を直視しなければならない。ただ、(ハンス・ヨアヒム)バツケCEOも「来季はタイトルを取りたい」と言っている。これまでとは違う。

 

 

――近年ケガに苦しんでいたマルコ・ロイスが大活躍しました。彼の活躍ぶりをどう見ますか?

オボモイエラ しっかり準備したこともあって1年を通して好調を維持してくれた。ゴールやアシストという形で、リーダーとしてチームをけん引していたよ。シーズン終盤に少し負傷し、シャルケ戦でレッドカードを受けてしまったのが残念だ。2試合の出場停止を食らい、チームも勝ち点を取りこぼしてしまった。ロイスがプレーして勝っていれば……。でも、それもサッカーだ。ロイスが来季も好調を保ち、コンスタントにプレーしてくれることを願っている。

 

――ロイスは真のキャプテンに成長したと言えそうですね。

オボモイエラ そのとおり。クリエイティブだし、スピードアップすべきとき、スローダウンすべきときを心得ている。ピッチ外でのリーダーという意味では、僕の頃だとセバスティアン・ケール、今のチームにはマルセル・シュメルツァーがいて、選手たちをケアしてくれる。ただ、シュメルツァーは最近負傷がちだから、その面でもロイスがチームの面倒を見て、若手に範を示すようになっている。

 

――ドレッシングルームの盛り上げ役は誰でしょう?

オボモイエラ マフムート・ダフートはおもしろいやつで、よくジョークで皆を笑わせている。パコ・アルカセルも楽しいやつだ。ただ自分の頃と比べると、そういう選手は減った。僕も皆を笑わせていたし、よくディナーやパーティーに仲間を誘っていたよ。チームの雰囲気を良くしようとね。今の選手たちもチーム精神や雰囲気という面ではすごくいい。それが好成績の要因の一つだ。ピッチ上だけの関係では強いチームになれないからね。

 

――当時のチームも相当いい雰囲気だったのでしょうか?

オボモイエラ もちろん最高だった。それが強みだったよ。チームの実力だけで言えば今のほうがずっと上だ。でも結束が強かったおかげで好成績を残せた。週に1回か2回、10人くらいでディナーやクラブに出掛けていた。時にはチーム全員でね。ケールやモハメド・ジダン、ロマン・バイデンフェラーとは特に仲が良かったし、今も友達だ。そういう仲の良さ、結束の強さが僕らの最大の強みだった。

 

――香川真司との思い出は?

オボモイエラ 最初は言葉の壁があって、なかなか打ち解けられなかったけど、だんだんおもしろいやつだと分かった。ピッチでも、日本から来た小柄な無名選手のファンタスティックなプレーに誰もが驚いた。真司は他の選手の特徴をすぐに理解し、チームに順応した。素晴らしい選手だったよ。そして一旦打ち解けると、皆を笑わせてくれた。おもしろい日本語のフレーズを教えてもらったよ。今でも覚えてる。ここでは言えないけどね(笑)。

 

――当時の指揮官だったユルゲン・クロップがチャンピオンズリーグのタイトルを取りましたね。

オボモイエラ 彼にふさわしいタイトルだ。本当に良かったと思う。6つの決勝でタイトルを逃してきた彼が、ついにビッグタイトルを手にしたんだ。人はタイトルを取れなかったことばかりに注目するけど、何度も決勝まで勝ち進むというのは本当にすごいことなんだ。彼が監督になってからリバプールのサッカーは良くなり、今シーズンは素晴らしかった。情熱をもってドルトムントを変え、リバプールでも同じことをした。いつか日本に来てほしいって? リバプールのあとはドイツ代表に必要だからそれはダメだよ(笑)。

 

――最後に日本のBVBファンにメッセージをお願いします。

オボモイエラ まず、いつも真のファンとしてチームを応援してくれて本当にありがとう。選手たちは今でも日本に来たときの思い出について話しているよ。大勢のファンが空港に来て、温かく歓迎してくれたことを皆が忘れられないんだ。日本のファンはとても熱く、いつもクラブを支えてくれている。そういうファンがここに大勢いることはクラブの誇りだ。これからもぜひ応援を続けてほしい。皆さんがBVBについて知りたい情報をできる限り発信していくようにして、もっと大勢のファンに会いたいと思っている。

 

インタビュー:村瀬隆宗

写真:野口岳彦

 

 

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